レベル1で魔王と戦う

突然ですが、質問です。
あなたは今RPGゲームを遊んでいます。
自分の操作するキャラクターが一番弱い状態で
そのゲームのなかで一番強い敵と
戦いたいと思いますか?

よほどの変わり者でないかぎり、
答えは「戦いたいわけないでしょう!」
という返答がくるかと。

盛大な前振りをしましたが、
私はレベル1で魔王と戦う、
とんでもない決断をしました。

プログラマーの会社を退職したあと、
いくら貯金があるとはいえ、
いきなり古本屋を起業するとは
なにを考えていたんでしょうか。

会計の知識もない、
会社で商取引や営業などの経験もない、
本の仕入れ先や販売先などもない。

ないものだらけの状態で
起業をしました。

魔王と戦うきっかけ

本屋を起業する前、
2年間働いていたITの会社を
退職しました。

退職の理由は、
会社内の
人間関係が上手くいかなかったこと。
そして、自分の仕事に対する
プロ意識が足りていなかったこと。
この2つが主な理由でした。

退職したあと、
当時の自分は考えました。
「2年間、ためてきたお金で1年以上は
 ほとんど働かなくても良い状態だ。」
「あれ、今自分がやってみたいことに
 取り組めるチャンスじゃないか!」
「人間関係を自分で選べる、
 かつ自分の好きな本に携わる仕事が
 やってみたいな。」
と考えを巡らせた結果、
古本屋の店主をやってみようという
結論にいたりました。


今思うと、
古本屋の起業理由がふんわりしているし、
どうやって儲けるのかを考え切れて
いないし、
個人事業主として失敗することは
明らかですね。

初期装備で戦った結果

いざ、古本屋を始めるとさぁ大変
( ´∀` )

まず、人を見抜く力。
大事にすべきお客さんは
どんな人なのか?
一緒にお仕事をする上で
信頼できるのは誰なのか?
大事にすべき人を見定めることが
出来ないことで、いろいろな
とんでもない目にあいました。

次に、お金について。
減価償却、経費って
そもそも何ですか?
自分が入るべき保険って
何だろう?
売上をあげるために
どうすれば良いんだろう?
事業計画や事業に関係するお金の
ことをまったく知らないことで、
徐々に銀行口座の貯金が減っていく
恐怖を味わいました。

最後に、商品の売り方について。
どうやって商品を仕入れるの?
どこで本を売ればもっと
利益につながるの?
どれくらいの値段でどんな人に
商品を売ればいいの?
商品の売り方をしっかりと
考え抜くことができていれば、
もっと利益を上げることが
できたのにと何度も反省することに
なりました。

商売について何も知らない状態、
初期装備で戦うことは
とてつもなく危ないということを
身をもって体験しました。

19世紀のドイツの宰相
ビスマルクさんの言葉に
「愚者は経験に学び、
 賢者は歴史に学ぶ。」
というものがあります。
自分はまさしく前者のほうでした。
もっと、起業の前段階で
より賢く準備を進めていればと
後悔しています。

敗北から学んだこと

でも、古本屋を起業したことで
気づいたことや得たものが
ありました。

思っている以上に、
税金や保険、お金を自分で稼ぐことを
まったく知らなかったこと。

思っている以上に、
自分がほかの人に自分の思いや考えを
伝えるのが上手くないこと。

思っている以上に、
この世の中にはいろんな生き方、
考え方、働き方があること。

そして、自分が失敗したときにこそ
実は起死回生のチャンスがやってくること。

起業をしなければ分からないことが
いっぱいありました。

あ、それと失敗したあとに
後悔する時間が短くなる、
というメンタル面の図太さも
身に着いたきがします。

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